屋根の板金というとスレート屋根などの棟板金を思い出される方も多いと思うのですが、
それら以外にもさまざまな部分に用いられています。
唐草板金と呼ばれる軒先やケラバに取り付ける水切り用の板金もあり、
「谷樋」や「谷板金」と呼ばれる部分もその一部です。
雨漏りは屋根本体ではなく、こういった板金とその周辺の防水紙の劣化によって起こることがほとんどです。
谷板金が屋根に設置されているかは屋根の形状によって決まります。
したがって、瓦屋根、スレート屋根、金属屋根、アスファルトシングル屋根などの屋根材に関係なく、
陸屋根を除けばどの屋根にも存在する可能性があります。
ご自分の屋根に谷板金が設置されているどうか分からない方もいるのではないでしょうか?
屋根にのぼるという危険なことをしなくても判断する方法もありますのでご安心ください。
「業者に修理を頼んだのに雨漏りが止まらない」とご相談をいただくことがあります。
その原因、実は谷板金であることが多いのです。
お家を守るためにもトラブルの原因となりやすい谷板金について知っておきましょう。
谷板金は「谷樋」と呼ばれることから分かるように樋、つまり雨樋の機能を持った部分です。
屋根への降雨による雨水を谷板金が設置されている面ではそこへと集め、横樋(多くは曲がりの部分)へ排水します。
排水された雨水は横樋や竪樋を通じて下水などに排出されるわけです。
谷板金は屋根の面と面の取り合いの谷状になった部分やパラペットと屋根の取り合い部分の谷状になった部分に存在します。
谷状になった部分に存在する板金だから「谷板金」、谷状になった部分に存在する樋だから「谷樋」と呼ばれます。
前述のように、屋根の上にあり、隠れるように谷状になっている部分ですから、地上からは全く見えないことも珍しくないのです。
排水のためにわざわざ雨水や雪が集中するように作られた部分ですから、板金も傷みやすく、雨漏りの原因になりやすい部位です。
したがって、定期的な点検とメンテナンスが欠かせない場所でもあります。